こんにちただいま。
帰国して約3週間。
おだやかな日々を過ごしています。
実家に帰り、母の手料理を食べ、
気がつけば4人もいる可愛い姪っこ甥っこに癒されて。
1年ぶりに会う友達はもちろん、
5年、10年会ってなかった懐かしい友人に会ってホッとして。
(庭で採れたオーガニックブルーベリーのタルト。実が宝石みたい。)
離れているあいだに起きた変化に心と身体が少しずつ追いついていっている感覚。
今まで以上に、時が経つのは早いなあと実感する今日この頃です。
そしてNZから帰ってきて、
今まで当たり前だったことに違和感を感じることもたくさん。
夜中まであちこちのお店が開いていたり、レジ袋やストローが大量消費されていたり、添加物だらけの商品があふれていたり・・・
もちろん便利なことは多いけど
なくてもいいんじゃない?
工夫すれば何とでもできるのに
もっと自然体でいれたらな〜
なーんて。
その点、瀬戸内の島にいくとのんびりとした島時間が流れていて、自然が近くにあり、いつ来ても変わらないその姿に安心します。
やっぱり好きだなー。
島案内いつでもするのでみんなぜひ遊びにきてくださいねー。
そんなこんなでのんびり過ごしつつも、新しい家も無事決まり、11月中旬には愛媛松山での新生活が始まるので、ぼちぼち気合いを入れていきます。
とはいえそれまでの間、会いたい人たちのもとを訪ねて転々とするので、またちょっと愛媛を離れるのですが。。
今ひそかに夢中になっている歴史小説を片手に、今週末からいってきます。笑
ありったけの想いを届けに
きのうはとっても特別な夜でした。
日本へ帰る前に、お世話になった方たちへできる限りの「ありがとう」を伝えたいという想いから、最近はあちこちでディナーをふるまったり、もてなしていただいたりの日々。
そして昨日は
わたしたちふたりにとって
とても大切な人、大好きな人へ
感謝の気持ちを伝えに行ってきました。
お世話になった7軒のウーフ先の中でも一番長くステイさせてもらい、私たちが仕事を始めてからもずーっと気にかけてくれていたSue。
わたしたちにとってニュージーランドのママといえば間違いなく彼女の顔が一番に浮かんでくる。
(彼女の飼ってる鹿さん。他にも羊や山羊、みつばちも。)
何でも知っていて、行動力があって、どんなときでもどんなことでも力を貸してくれる偉大なひと。
(ひろいひろい庭で見つけたすてきな椅子。耳を澄ますと物語が聴こえてきそう。)
心から頼りにできる存在で、どうしようもなく困り果てたときに、真夜中にもかかわらずSOSの連絡をしたこともあった。笑
前回の記事で紹介したご夫婦と縁を結んでくれたのも彼女で、私たちがNZで日本食レストランを始めたときの第一号のお客さんも彼女だし、私のバリスタの道を切り開いてくれたのも彼女・・・思い返すとSueとの思い出はキリがない。
このあいだ久しぶりに会うと「なんか新しい報告は?」とわたしたちに尋ねながら、「私はこないだバンジージャンプをしてきたわよ。」と嬉しそうにそのときの写真を見せてくれた。ちなみに今年70歳の誕生日を迎えた彼女。若さの秘訣は何なんだろう?笑
豊富な人生経験だけでなく、どこかカリスマ性を持っていて、人を惹きつける魅力のある人だ。
彼女の相棒Pollyもわたしたちの大切な親友。
運動神経抜群で特技はサッカー。動くものを見ると野生の血が騒ぐらしく、いつも狩りに夢中で、うさぎの穴に上半身を突っ込んでるときが一番うれしそうな彼女。
(ちなみにこれは以前わたしたちとの別れ際にうさぎを獲ってきてくれたときの写真。笑)
昨夜はそんな彼女たちに、
感謝の気持ちを伝えるべく
心を込めたディナーのプレゼント。
彼女のことを想いながら。
ひとつひとつ丁寧に。
生春巻き トマトと柑橘のジュレ
グルーパー 西京焼き
ホワイトベイトの天麩羅、海老と野菜のかき揚げ
グルーパーの炊き込みごはん
ラズベリーのレアチーズ
彼女の古い友人や、わたしたちのように彼女のことが大好きで集まってきた人たち。みんな一緒に食卓を囲んで、たわいもない話を楽しみながら、今ある幸せを噛みしめる。
なんて贅沢な夜だろう。
昨日ディナーの準備をしながら
ぼんやり考えていると、
旅を終わろうとしている今、
自分にとっていちばん寂しいのは
目の前にいる大切な人たちに
当たり前のように会えなくなること
だということに気がついた。
きれいな景色や美味しいもの、居心地のいい空間はどこへ行っても見つけられるけれど、世界中どこを探しても誰一人として同じ人はいない。
会いたい人に会うために旅をすることは今まで何度もあったけど、今回ニュージーランドへ来た当初はそんなことは全く考えていなかった。
それでも今こうして振り返ってみると、やっぱり自分の中では人との出逢いが大きな意味を持っていることに気づく。
そして同時に、この1年もまたそんな出逢いに恵まれていたことに感謝する。
もちろんまたいつか会える。
そうわかっていても、
なんだか今は少しだけ寂しい。
それでもまた会う日を楽しみに、
それまでの日々を精一杯楽しもう。
世界の端っこで出逢ったご夫婦
NZの最南端にインバーカーギルという町があります。
世界地図を広げてみるとびっくりするくらい南の方。
「え、こんなに南極大陸に近いの?」ってくらい。
そんな世界の端っこで出逢った忘れられないご夫婦がいます。
出逢いのきっかけは、わたしたちがWWOOF先を探せども探せども見つからず、行く当てがなく困り果てたとき。。
それまでお世話になっていたWWOOF先のママが「親友がいるから電話してみてあげる」と言って、特別に紹介してくれたのがはじまりでした。
その後「いってらっしゃい」と見送られて、3時間ほど車を走らせて辿り着いたのが彼らの家だった。
突然の訪問にもかかわらず、すてきな笑顔とまるで家族のようなあたたかい空気で迎えてくれたのを覚えている。
奥さんのLizはとにかく
愛情を注ぐのが上手な女性。
そのしるしに
彼女のお花と彼女の手料理は格別。
彼女の育てるピオニー(芍薬)は本当に美しい。
一本一本たっぷりと愛情を注がれたそのお花は、毎年時期になるとあちこちからオーダーが入ったり、ローカルマーケットで売り切れたりと、あっという間に多くの人の手に渡っていく。
もちろん料理も最高。
すべて手作りでやさしいママの味。
あ~もう恋しい。また作ってもらいたいよ〜。
そして、旦那さんのNickは
よく食べ、よく呑み、よく働き、
大きな声でよく笑う
スーパーパワフルおじいちゃん。
あとさすがオランダ出身。世界一身長の高い国民として知られるだけあって、見ての通り背がとっても高い。(なんとまぁ遠近法も合わさってすごい写真。笑)
空き缶を狙って銃の使い方を教わっているところ。
じつはNickが育てている子羊をみずから射止め、その手で捌く瞬間も目の前で見させてもらった。あのときの感情は言葉じゃうまく言い表せない。でもただただ美しかった。
そしてそんな彼はかつてみんなのために走り回る町のお医者さんでした。
もう退職しているにもかかわらず、今も町へ出かけると、必ず町の人にに声をかけられる。彼の人柄からしてもきっと、みんなのヒーローのようなお医者さんだったにちがいない。
ふたりが栽培し、収穫からローストまですべて手作業で仕上げられたヘーゼルナッツ。これはおいしすぎ。
3日間、朝から晩までやり続けた薪割りも、全部終わったときにはみんなで大喜び。ちなみにこの写真に写ってるのはほんの一部だけなんです。笑
早起きして4人でカレイを獲りにいったり。
こんなにおっきいのが数十匹も!
もちろん料理人の彼が捌いておいしく調理。
並んだ料理を見て「すごいすごい」って言いながらふたり揃って写真を撮ってくれてるところ。これ私のだいすきな写真。笑
ふたりの予定もあって、
4日間の滞在だったけれど、毎日がしあわせだった。
いっぱい話を聞いてくれて、いっぱい話を聞かせてくれて、一緒に汗を流して働き、一緒に大笑いして、私たちが困ったときにはスーパーマンのように走り回って助けてくれた二人。
こんなに人を想い、行動し、愛情を注ぐことのできるふたりに出逢えたことに心から感謝しています。
世界中どこへ行っても素敵な人や素敵な生き方をしている人はたくさんいるんだろうな。
そう思うと、まだまだ知らないところへ、もっともっといろんな人へ逢いに行ってみたくもなる。
そしてなによりこの先、
たくさんの人に分けてもらった愛情を
今度はわたしたちがまわりの人へ返していく番。
日本に帰っても今ここで感じている感覚を忘れないように。身を流されてしまわないように。大切にしていきたい。
NZの絶景スポット10選
どこをとっても絵になるニュージーランド。
自然との距離が近くて、ふとカメラを向けて撮った写真でさえ絶景になっちゃうんだけど、なかでもとくに記憶に残った10の絶景スポットを紹介します。
ちなみにNZは北島と南島の2つの島に分かれていて、私は南島しか旅していません。
まぁでも南島だけでおなかいっぱい。
もし北島も行ってたらきっと数え切れないほどの絶景に出会って大忙しだろうな〜。
もちろん北島も行きたいところは沢山あるのでまたいつかゆっくり周ります。
というわけで、
南島限定!
しかも
私の行ったとこ限定!
こんなに限定してもまだ10個に絞るの悩むんだけど、、記憶の新しいうちに自分の頭の中の整理もかねてまとめちゃいます。
もしNZへ来る方がいれば参考にどうぞ。
そうじゃない人もぜひ
写真を見てうっとりしてください (´-`*)
◾️1 LAKE WANAKA
ワナカ湖にある有名なワナカツリー。行くまではどんな秘境なのかと思ってたけど、意外と「え、こんなところに?」っていう場所に生えてました。なんでかわかんないけど湖の中に1本だけ、ぽつんと立ってる柳の木。なんかかっこいい。
◾️2 HOKITIKA BEACH
どことなくアートな雰囲気が漂う街ホキティカ。金鉱やグリーンストーンが有名で、ビーチには流木でつくられたモニュメントも。おおきな海だったなー。水平線に沈む夕日を眺めながら食べたピザがおいしかった。
◾️3 BLUE POOLS
とにかく透き通る碧色の水。みんな河原に座って、ただただこの水を眺めながらたそがれていました。なんでこんなにも綺麗なんだろうか。
◾️4 KAHURANGI NATIONAL PARK
NZの先住民族マオリの言葉でカフランギとは「かけがえのない財産」という意味だそうです。たくさんの水と緑と光に囲まれて、思わず何度も深呼吸してしまう美しい森。はあ~すばらしい。
◾️5 LAKE TEKAPO
ミルキーブルーのテカポ湖。一日のうちにもどんどん色が変わっていってずっと飽きずに眺められちゃう。ルピナスの花が綺麗で、有名な良き羊飼いの教会もあって、世界一の星空もあって、まるで絵本の中みたい。
◾️6 LAKE HAWEA
「ハウェアってなんて言いづらいんだ」っていう第一印象。でもおかげで名前はすぐ覚えられた(笑)ドライブ途中、突然出会ったこの群青色の水鏡におもわず吸い込まれちゃいそうでした。パワフルだったなー。
◾️7 TE WAIKOROPUPU SPRINGS
マオリ族の聖地とされてきた泉。絶えることなく水が湧き出ていて、たぶん私が今までの人生で見た中でいちばん綺麗な水だった。聞いた話によると水中で63mも先まで見えるらしい。もはや何色なのか表現できないけど、とにかく美しかった!う〜ん、写真じゃこの感動伝わんない。
◾️8 ROYS PEAK
登山好きにはたまんないトレッキングコースいっぱいのNZ。私がはじめて挑戦したのがこのコースでした。が、まさかの選択ミス?全然初心者向きじゃなくって、ひたすら急な斜面を歩き続けた6時間(泣)でもこの絶景!やっぱり登ってよかった!
◾️9 WESTPORT
「 あーここに住みたい!」って思った町。だいすきな海が目の前に広がってて、毎日朝から晩までサーフィンして過ごして。あれ?何があったっけな~あんまり思い出せないや(笑)でもここは直感的に自分の「好き」が詰まった場所でした。
◾️10 MORIA GATE ARCH
まさに神秘的という言葉がぴったり。ほかに言い表す言葉が見つからないけど「こんな場所があるんだ!」って感動した。裸足になって自然のエネルギーを全身で感じ取りながら、自分も大自然の一部なんだな、つながってるんだなって。すべてが自然に包まれてエネルギーに満ち溢れてる、そんな場所。本当に行ってよかった。
以上、わたしの選ぶNZ南島の10の絶景スポットでした。
他にもいろんな所へ行ったんだけど、なにせ相手が自然なので、天候や時間によってものすごく表情が変わっていきます。だから運よく出会えた景色もあれば、運悪く出会えなかった景色もあって。
きっとまたもう一度旅をしたときには、全くちがう10選になるはず。
絶対わくわくするだろうな~。
そのときがまた楽しみです。
移動手段はヒッチハイク
「ヒッチハイクで行けるよ。」
ニュージーランドへ来てまもない頃
行きたい場所までどうやって行けばいいか尋ねると、よくこの答えが返ってきた。
バスでも電車でもタクシーでもなく、
まさかのヒッチハイク(笑)
見知らぬ人に交渉して目的地まで連れて行ってもらう。
そんな行き方をすすめられるなんて思ってなくて最初はちょっとおどろいた。
だけど、この国では案外よく見る光景 。
わたしが今住んでいる町でもほんとによく見かける。
しかもバックパッカーだけでなく、なかにはどう見てもあなた出勤中でしょっていう人や、これから町に遊びに行くんだろうなぁっていう若者など、よくわかんないけどいろんな人がいる。笑
そういえば、今カフェで一緒に働いているフランス人の女の子も「たまにヒッチハイクで通勤してるよ~」って言ってたし
「帰宅中ヒッチハイクしてたら、勤務終わりの救急車(?)が家まで送ってくれた」っていう話も友達から聞いた。笑
どれも冗談みたいだけど
なんともNZらしい話。
それくらいヒッチハイクが気軽にできちゃうんです。
治安がいいのはもちろん、道は一本道だしバスもちょっと気まぐれ。
日本みたいに交通機関が発達してて、ありとあらゆるところへ道がつながっているわけでもない。もしかするとこのちょっとした不便さがお互いを思いやる気持ちを生み出してるのかもしれない。
そして旅行者や移民者だらけの多国籍なこの国には、社交的な人も多いから受け入れやすい文化なのかも。そういえば日本でも、旅人の多い沖縄にはヒッチハイクしてる人も結構いたし。
とまぁそんな訳で
わたしたちも車を買うまでは、よくヒッチハイクで移動していました。
(車で8時間かかる遠い町まで行った日。このあと過酷な旅が待っているとも知らず、朝一ののんきな写真。)
開始5分で車が止まってくれることもあれば、ときには田舎の小さな町で3・4時間待ち続けることもあったり。いつも目的地に辿りつくまでワクワクドキドキ。
(寒い中待ち続けるも車通らず。。バスがあるなら乗りたいけど、田舎すぎてバスや人どころか、まわりに羊しかいないという切なさ。笑)
何度か心折れそうになることもあったけど、そのぶん人の温かさにも触れて、なんだかんだでハマっちゃう。
たとえば行き先が違ったり、車に乗るスペースがなくても、車を止めて声をかけてくれる人はたくさんいるし
車の中からこっちを見て手を振ったり、ジェスチャーでエールを送ったりしてくれる人もいる。
単純にKIWI(ニュージーランドの人)の国民性なのか
自然いっぱいでピースフルなこの国の雰囲気がそうさせるのか
とにかく老若男女問わずみんなとってもフレンドリー。
(たまに見かける道路標識。ほかにも羊とか山羊とか牛とかあっておもしろい。)
話は変わるけど、今働いてるカフェでもワークメイトたちがいつも些細なことでも「大丈夫?」って気にかけてくれる。むしろ何もなくても聞かれることも。笑
忙しくてもみんなせかせかしてなくて、お互いのことを想って声をかけ合う環境がとても心地いい。
もちろん日本人の細やかな気配りや、さりげない心遣いも素晴らしいんだけど、かえって気を遣いすぎて人に頼りづらいことや無関心をよそおってしまうこともある。
だからとやかく考えず、気軽にまわりの人に声をかけたり、力を貸し合ったりできるKIWIの人柄ってすごくいいなって思う。
そういえば大学で「コミュニティー」の研究していた頃、尼崎のとある地域コミュニティーでも似たような感覚を受けたのを覚えている。
お互いに無関心ではなく、
ちょうどいいかんじのお節介がゆるやかな繋がりを生み出す。
そこでは自然なかたちであらゆる立場の人たちの関係性が成り立っていて、何かが起きてからじゃなく普段から、できることを、できるときに、できる人がやっていた。
ヒッチハイクもそんな風に、ゆるりとした人と人とのつながりが町の中で循環していっているような気がする。
だから、日本に帰ってもヒッチハイクをしてみようと思うとかそんな話ではもちろんなくって(やってみてもいいけど)
たとえこの先住む場所がどこであろうとも、
閉鎖的でも無機質でもない
コミュニティーの中で
多少おせっかいなくらいで
暮らしていきたいなと思います。
ニュージーランドのエコな生活
(ここがあなたたちの家よ。と連れてこられたところは、大きな敷地の中にぽつんとある、まるでタイムスリップしたような小さくてレトロなおうちでした。)
3軒目のウーフでお世話になったJudiはとってもキュートな人だった。
(自分たちで薪割りをして毎晩火を焚いて暖をとっていたストーブ。)
待ち合わせをした町のスーパーで買い物を済ませたあと、30分ほど車を走らせた山の中に彼女の家はあった。
たくさんの牛や羊、オリーブや梨、桃、林檎の木など、見渡す限り広がる大きな敷地の中に彼女はひとりで住んでいる。
長年キャビンアテンダントの仕事で世界中を飛び回ったのち、今はここに落ち着いたという。
農作業をするため全身ぶかぶかの服に長靴、カウボーイのような帽子をかぶっているにもかかわらず、空港で仕事をしていた頃の姿が浮かんでくるようなとても綺麗な人だ。
そしてなにより私が彼女を好きになった理由は、どこか放っておけない彼女の人柄。
ものすごく几帳面でしっかり者で、面倒見がよく、何でも一人でやってのけそうなほどたくましい一面も持つ人なんだけど
これでもかってくらい心配性。
そんな彼女の口癖は
「あれとこれと、あーあれもしなくちゃ、これもしなくちゃ、あ、あとこれも、あれも・・・
Ah... anyway! Never mind!
( まぁ、ともかく。気にしないで!)
大丈夫だから。」
いやいやいや、
そんなこと言われちゃ
気にしちゃいますよ。笑
でも私はそんなところが好き。笑
まぁ彼女が毎日そう呟くのもそのはず
この広い敷地のなかで、季節ごとに一つ一つ手作業の手入れが必要な果樹、野菜の収穫や次の季節に向けての畑作り、次から次へと伸びてくる雑草刈りに動物たちの世話、その他もろもろもろもろ。。
なにしろ自然は人を待ってはくれない。
(ちょっと変わったヘアスタイルの羊さん。)
ひとつ終えても次から次にやることが出てくる。
かと言って放っておける性格じゃないからあれもこれもと気になって、朝から晩まで大忙しの毎日。
そしてこんなに忙しいのになぜかAirbnb(個人でできる宿泊業)まで自分一人でやってるし。笑
すごいなー、Judi。
(いつもガン見してくる子牛ボーイズたち。)
そんなわけで、滞在させてもらっている間わたしたちも全力で毎日お手伝いしました。
一番大変だったのは林檎の摘果作業。大きな実を育てるために実が小さいうちに良い実を選んで他を切り落とす。
とにかく木が多すぎていくらやっても終わらなかった。汗
(農家の仕事は想像以上にハード。今思えば男子学生並みに毎日がっついてた。笑)
結局2週間の滞在でわたしたちが手伝えることは彼女の仕事のほんの一部にすぎなかったのだけれど、
毎日彼女の運転するバギーにまたがって広大な大地を行き来したり
林檎を盗み食いする牛たちを追いかけまわったり
間違えて動物用フェンスの電流が体にバチバチッときたり
産後まもない子牛を見守ったり
どでかい牛の糞だらけの道もへっちゃらになったり
人生初のコンポストトイレにサバイバル精神を鍛えられたり
化け物みたいにおっきいうなぎを獲ったり
広いひろーい満天の星空を眺めたり
みんなで暖炉を囲んでご飯を食べたり
Judiのもとで過ごした日々はどれも忘れられない思い出になりました。
(家の隣の川に仕掛けをしたら一晩で10匹近く獲れた巨大うなぎ!)
そしてどうしても気になって
私が彼女に聞いてみたかったこと。
「なんでJudiは今の生活を選んだの?」
夕飯の後片付けをしながら彼女は
「う~ん、わかんない。
きっと私って変なのよ。笑
・・・でもこれでいいの。」
そう答える彼女は今までで一番すてきな笑顔を見せてくれた。
その瞬間、
やっぱり私は彼女のこと大好きだなぁと思った。
毎日休む間もなく働いて、いつも大変そうに見えたけど
自分が「これだ」と思うことを選んでまっすぐ生きている彼女は、まちがいなく輝いていて、とても魅力的な人でした。
(最終日出発する前にJudiの家の前で撮った写真。感情があふれすぎて顔くちゃくちゃ。笑)
Judi ありがとう、また会おうねー!
WWOOF(ウーフ)のお話
まず何がそんなによかったかっていうと、やっぱり人との出会いだと思う。
もし数週間でも海外へ行く機会があって、観光や買い物だけじゃなく、もっとその国の暮らしを体験したい、地元の人とコミュニケーションをとりたい、って人には本当におすすめします!
WWOOFは
World
Wide
Opportunities on
Organic
Farms
の略で、「世界に広がる有機農場での機会」という意味。
オーガニックファームでお手伝いをする代わりに、ホストが食事と宿泊場所を無料で用意してくれるというシステム。
この説明だと伝わりにくいけど
ウーフを通して得られるものってただ単に食事と宿泊場所だけじゃなくって
見知らぬ土地で地元の人と一緒に生活するなかで、
新しい知識や経験はもちろん
世界各国から集まってきているウーフ仲間の友達もできるし
そこから見えてくる文化や価値観の違いもあるし
ローカルな観光スポットや遊びにも連れていってもらえるし
毎日みんなと英語で会話するから確実に英語力UPするし
とにかく、普通の海外旅行では手に入れられないものばかり!!
だって海外でホテル代や食費を使わずに、これだけのものが短期間に手に入るって凄くないですか?
実際にわたしたちのような長期ビザじゃなくて、短期旅行で友達や恋人と一緒にウーフをしながらあちこち周っている人たちもいました。
あと、いざやってみてわかったのは、ファームといっても一般的に日本で想像するような専業農家ばかりではないということ。
むしろ趣味のように家庭菜園をしながらおしゃれなオーガニックライフを送っているお宅も意外と多かった・・・のでそんな超肉体労働ってかんじでもないです。笑
まぁでもこれは国によりけりかもしれないけど。世界60カ国以上が加盟しているので、結構お国柄がでるかも。オーストラリアやニュージーランドはかなり盛んな方ので、受入先もかなり多種多様。ちなみに日本にも「WWOOF JAPAN」っていうのがある。 https://www.wwoofjapan.com/main/index.php?lang=jp
とまぁそんなこんなで
ここからはわたしたちの体験談へ。
最初のウーフ先はフランスから移住してきたピアニスト紳士のお家でした。そう、ここはいわゆる農家ではないタイプのお宅。
お掃除や菜園の手入れなど手伝う内容も日によってさまざま。
いつもみんなで朝ごはんを食べて「やることリスト」を確認するのが日課だった。
海の見えるガーデンが気持ちよかったな~。
そして何よりびっくりしたのは徹底されたオーガニックライフ。
街にある量り売りのオーガニックショップで買ってきた豆や穀物、ナッツ、スパイスなどがキッチンにずらりと並び、卵や野菜や果物も近所の無人市で買ってきた安心できる農家さんのもの。もちろんコーヒーやワインもオーガニック。あと洗剤や生活用品も。
「将来はふたりで日本に飲食店を開きたいんだ。」
という話をしたら、滞在している間わたしたちをキッチン担当にしてくれて、毎日ホストとウーフ仲間みんなの食事作りを任せてもらえたものの、最初はあまりの食文化の違いに呆然 ー。
というのも一緒に食卓を囲むメンバーにベジタリアンやビーガン、グルテンフリーの人が多く、その上きわめつけは食材のちがい。
日本人なら一汁三菜で決まりだけど、家にある食材の8割が穀物なもんで毎日となるとバリエーションが見事に尽きてゆく(泣)
困り果てて食材確保とい名目で、釣りや潮干狩りにも行ったこともあったな~。笑
(ちなみに潮干狩りにいくとどこを掘っても山のよう出てくる。さすが自然大国。)
でも少しするとその生活にも慣れてきて、交友関係の広いホストが頻繁に友人も招いてくれたので、世界各国の人たちに料理ををふるまうことができた。
そして何よりここで学べたのはオーガニックの食材の価値!
からだにどんな効果が出るとかそんなのは短期間じゃ正直わかんないけど、少なくとも味の違いをはっきりと知ることができた。つねに良い食材に触れさせてもらえて、自然体で美味しいものを口にさせてもらえたことに感謝。
(いつものレシピでつくる焼き菓子も良い素材を使えば全く別の味!!)
おかげでその後のわたしたちの生活は随分オーガニック思考に変わったな~と思う今日この頃でした。